算数が苦手・・・

「小学生の嫌いな科目・苦手な科目」ランキングでいつも上位に挙がるのが算数です。
なぜ算数が苦手な小学生が多いのか。
一口に「苦手」といっても、そこに至るまでのいろいろな段階があります。

1.まず最初の躓きは「興味が持てない」。

数字と記号だけが並ぶ問題を見ると、いかにも「勉強感」が強く、自分の生活や体験と結びついていないため、そもそも興味が持つことができない。
こういう子どもには、身近なものに置き換えて考えさせることが一つのきっかけになります。
遊びの中で数字を使っていることに気付かせる。
料理の中で単位や数字を使っていることに触れさせる。
一緒に買い物に行ってお金の計算をしてみる。
特にテレビゲームなどは、どんなジャンルのゲームであれ数字であふれていると思います。
日常生活の中で、実はこんなに数を使っているんだよと教えてあげるだけで、少し取り組む姿勢が変わってくるかもしれません。


2.次の段階は、計算に「飽きている」。


「興味が持てない」と似ていますが、学年が進むにつれて算数はそういう科目なのだと、納得なり、開き直りなりができる子どもは多いです。
そうすると単純な計算問題は解くことができるようになります。
ただ、同じような問題を反復練習するばかりで、そこから先に進めない。
機械的にやっているだけで、自ら深く知ろうとは思わない。
確かに一定の解き方を覚えてしまえば、同じような計算や公式を利用することの繰り返しで飽きてしまう子どもがいるのもわかります。
しかし、機械的にやっているだけでは、応用問題に触れた途端に思考停止してしまうことになります。
このような子どもは、「面白い算数」に触れさせてあげることで「算数」=「つまらない」という思考から抜け出せるかもしれません。
多くの学習塾で、論理的思考力や空間認識力などを身につけることを目的とした算数パズルが取り入れられています。
パズルであったりクイズ形式の問題であったり、楽しみながら学べる材料はたくさんあります。
算数の魅力は、考え抜いた末に正解にたどり着いたときの達成感にあります。
楽しさの中から得られる「わかった!」という感覚を知ることができれば、算数への拒否反応は減っていくでしょう。


3.次の段階は、算数に対する「諦め」です。

単元が進むたびに新しい公式を覚えなければならないため、一歩躓くとそこから追いつけなくなってしまうのが算数です。
当然基本が理解できていなければ、応用を解くことは不可能です。
例えば分数の掛け算や割り算が理解できていないと、割合や速さの問題は解けない。
この「諦め」の状態になるのは、間違えた問題をそのまま放置しているからに他なりません。
わからないままにしておかない。しっかり復習をする。
まずはどこができないところなのか、一歩ずつ下がって確認していくことが大事です。
諦めている子どもは、何がわからないのかもわからない状態になっているので、丁寧に一単元ずつ「わかる?」「わからない?」と確認していきましょう。
最初の原因がどこにあるのか突き止められたら、またそこから一歩ずつ進むだけです。
その時はこれまでのように間違えた問題をそのままにしておかない。
ゆっくりでいいから確実にしてから前へ進みましょう。


4.その他では、「文章題になると解けない」という子どももいるでしょう。

算数の文章題には、読解能力も必要になってきます。
この問題で何を聞かれているのか?
そして、自分で問題文から必要な情報を探し、答えの求め方を考え、式を立てる必要があります。
もしかしたら本当に苦手なのは算数ではなく国語だった、みたいなこともあり得ます。
文章を読むこと自体が苦であるなら、少しずつ読書などで慣れさせる。
読解力に難があるなら、国語の勉強に注力する必要があるかもしれません。


ここまで述べてきたように、算数への苦手意識には様々な段階があり、それぞれのタイミングでのアプローチ方法があります。
まず現状、子どもが算数に対してどう思っているかを探り、その原因を見つけることから始めましょう。