中学受験のススメ 2023

中学受験の様子

1)私立中学の入試問題

 大学入試や高校入試は変わってきているということですが、広島県の私立中学入試に目を向けてみると、2020年度以降に試験形態が大きく変わることはありません。


 むしろコロナ禍によって面接試験がなくなり、ペーパーテストのみになったようなところもあります。


 年度ごとに問題形式の違いは多少見られますが、国が推し進めている教育改革に比べれば「例年通り」といっていい内容でしょう。

 少なくとも中学入学の段階では、従来通りにしっかり勉強ができ、効率よく作業できる人間を集めようとしているようです。「知識の習得」がきちんとできることがベースとして必要で、

「社会でどのように役立てるか」
「どのように表現するか」

ということは入学後にしっかり育てます、という考えなのではないでしょうか。

 小学生なのにあそこまで勉強させる必要があるのかという意見もありますが、中身ではなく、高度な学習を今後得られる基礎的な力が備わっているかという問いかけであると考えます。


「改革」と大々的に言われたからといって、これまでの教育を全否定する必要はありません。これまでのものを前提としてさらに必要な要素を上乗せをするという考え方が理想だと思います。


 もちろん生徒側も教師側もキャパシティには限界があるので、そこは学校側の工夫が必要です。


「自分の人生を選択する力」や「表現する力」というのは、中学高校で出会う友人や大人との交わりを経て成長させていくべきもので、少なくとも「受験に必要だから」という目的意識では付け焼刃なものになってしまうでしょう。


2)中学受験のススメ

 高校受験があることで「受験のため」ということに意識が向いてしまいがちです。


 大学受験とその先の社会でよりよく生きていくためには、まず小学生の間に効率よく知識を習得できる方法を見つけて中学受験をする。そして中高6年間で目標やそのために必要な能力を見定めて、それを伸ばすためのしっかりとした高度な教育を受けるのが最も効率的なのではないでしょうか。プロのスポーツ選手も過去を探ってみれば、形態は違いますが、同じような歩みをしていると思います。


 中高一貫校は高校受験がないので余裕をもって好きなことに取り組むことができますし、大学受験に向けて早くから備えることもできます。そして学校ごとに特色あるカリキュラムが組まれているので、「自分の好きなこと」を発見するためのチャンスが多くあるでしょう。


 小学生のいるご家庭においては、始まったばかりですべてが模索中の教育改革に流されず、まずは中学受験を目指して知識の習得を確実なものにすることをお勧めしたいと思います。

by Y・H